腕だけでは選ばれない ── 私がプロフェッショナルを考えた原点
「プロフェッショナルとは何ですか」。そう聞かれたときに考えたことが、この会社の出発点になっています。
世の中には、腕のいい技術者がたくさんいます。けれど、腕がいいからお客さまが来る、と思っている人もいます。腕がよくて、そのうえ顧客思いな人のところには、広告費をかけなくてもお客さまが来るでしょう。一方で、自分の腕だけを過信している人のところには、お客さまは来ません。
今回は、私がそう考えるようになった、店舗をつくる中で、自分がお客さまの側に立った2つの体験を書きます。
お客さまの側で出会った、2つの体験
「これが普通です」と決められた内装
店舗を出すとき、内装の専門家から「洗面の高さはこれが普通です」「廊下の幅は、この幅がないとだめです」と言われました。その通りに進めましたが、どうしても納得できず、最終的には自分で内装工事をしました。
CLOVER. では、お客さまが個室で過ごす時間が何より大切です。だから、廊下が狭くても、洗面の高さが一般的でなくても、問題はありませんでした。実際に、お客さまからのクレームもありません。
自分のイメージで進んでいく空間づくり
空間のデザインをお願いしたときのことです。私がどんなサービスをしていて、どんなお客さまに来てほしいのか。私がどんなイメージや思想でこの仕事をしているのか。それを聞いて空間をつくるのではなく、ご自身がしたいデザインで進んでいきました。
そのデザインが好きな人からは、きっと評価されるのだと思います。けれど、依頼した私の幸せをカタチにすることはできていませんでした。
技術はあっても、カタチにできていない
どちらも、技術がなかったわけではありません。どちらの場面でも、技術は感じました。それでも、顧客の幸せをカタチにできているかというと、できていないと私は感じてしまいました。
振り返ると、私たちがバリューに掲げている問いと重なります。「これが普通」と決めることは、自分の「正しい」の押しつけ。自分のしたいデザインで進めることは、自分の「やりたい」の押しつけ。技術者とプロフェッショナルを分けるのは、腕の良し悪しではなく、相手の話を聞く姿勢なのだと思います。
「カタチにする」とは
幸せは、目に見えない感情や体験です。お客さま自身もまだ知らない知識や体験、知らない世界へ、技術や知識で連れていくことでもあると思っています。
だから私にとって「カタチ」とは、物理的なものではありません。お客さまが望むものをかなえること。それが、カタチにするということだと感じています。
内装も、空間も、つくられた物そのものはカタチへの入口です。それをお客さまが使い、味わい、体験した、その先にある感情や体験。そこまで届いて、はじめて幸せがカタチになります。
センスではなく、再現性のあるものに
だから私は、本物のプロフェッショナルとはどういう人なのかを考え、それをセンスではなく、再現性のあるものにしたいと思いました。
いい腕を持っているのに、接客やヒアリングが苦手な技術者がいます。そういう人を、再現性のある方法でプロフェッショナルに育てたい。そうしていい技術が引き継がれていけば、技術大国と言われた日本を取り戻すことにもつながると考えています。
私自身も、経営や人材育成、サービスの向上を、まだ学び続けている途中です。AI時代に、選ばれ続けるプロフェッショナルを育てる。そのために、私たちは今日も3つの問いに立ち返っています。
幸せをカタチにするプロフェッショナルを、いっしょに育てていきませんか。
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